人生セルフ人体実験

何をするにしても自分で試すのが一番

札幌~東京を自転車で(だいぶワープしながら)自走してみた(その1、札幌~苫小牧)

地元にいたとき(2016年)にロードバイクを買って、たまに乗っていたのですが、
去年東京に引っ越してきたときは、保管場所の都合やそもそも持ってくる余裕がないという事情もあり、実家でお留守番状態でした。
で、せっかくシェアハウス生活から部屋を借りて一人暮らしになったので、ロードも持ってくるか、と思い立ちまして。
飛行機輪行も考えましたが、どうせなら走るか! という今までの一日あたり最長走行距離が30kmちょっとの奴にしてはイカれてる発想が浮かび、実行に移してしまったので、その記録です。
まずは札幌から苫小牧まで。

(その1)札幌~苫小牧 ←いまここ
(その2)苫小牧~大洗(1)
(その3)苫小牧~大洗(2)
(その4)大洗~東京

概要

走るか! とはいったものの、さすがに道があるところを全て自走するととんでもない距離になってしまうので、現実的なところで
「2日間で到着できるようなルート」を設定しました。そうするとこんなかんじに。

1日目

札幌市南区 -> 苫小牧西港フェリーターミナル (60km弱)
~ フェリーで大洗港へ移動~

2日目

大洗フェリーターミナル -> JR水戸駅 (15kmくらい)
~ 鉄道で松戸まで移動~
JR松戸駅前 -> 自宅(23区西部) (35~40kmくらい)

フェリーを使うことにしたのは単純に乗ってみたかったからってのが一番の理由です。
いままで人生で乗ったことのある一番でかい船は洞爺湖のやたらメルヘンチックな遊覧船なので。
あと2日目の水戸~松戸の電車移動は、大洗に船が着く時間の関係上、全区間を自走すると次の日の朝になりそうだったので、輪行袋を車内に持ち込んでも影響が少なそうな区間を可能な限りワープすることにしてます。
(都内で帰宅ラッシュの満員電車に輪行袋でチャリを持ち込むのはギルティというか物理的に不可能ですし)

装備

・リュックサック
自転車で長距離を走るときはなるべく荷物を軽く、というのが鉄則ですが、
ノートPC、自転車用ウェアの洗濯中に船で着る最小限の着替え、
それに輪行袋やらぶっといワイヤーロックやら何やらを詰め込んだ結果、パンパンのリュックが出来上がってしまいました。たぶん10kg以上ある。
・自転車
CENTURION Hyperdrive 2000 (2016年モデル)
タイヤをPanaracer クローザープラス(700×25C)、チューブをMAXXIS ウルトラライトチューブに交換してある以外はどノーマル。
小さいサドルバッグとツールボトルに補修用部品と工具を入れてあります。
・ウェア
モンベルの6分丈くらいパンツの中にレーパンをはいてる以外は全然自転車用とかではない普通の運動する格好。
シューズもただのランニングシューズです。我ながら舐めた格好だとおもう。
ただヘルメットはちゃんとかぶってますよ。安物だけど。

出発

さて、時は2019年4月22日(月)、いよいよスタートです。
実家の住所をバラしていくスタイルはアレなので、札幌市南区真駒内公園が起点となります。

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ここをスタート地とする

スケジュールですが、万一フェリーに乗り遅れるようなことがあると全てパーになるので、乗船手続きの時間から逆算して設定しています。
苫小牧西港フェリーターミナルに遅くても16時半には到着しないとまずいのと、前述の通り今までの最長走行距離の約2倍走ることになるのに加え、パンク他のトラブルに遭う危険性も考えた結果、スタートは朝9時を予定。
…が、前日の夜からお腹の調子が最悪でトイレとお友達になっていたのと、荷造りにギリギリまで悩んでいたのが重なり、実際にスタートできたのはなんと1時間遅れの午前10時。
大丈夫! 朝遅れるのも織り込み済みのスケジュールです! (そういう問題じゃない)

札幌市脱出まで

まずは五輪通を東に向かい、澄川5-10の交差点を左折、福住桑園通に入ったら道なりに札幌ドーム横の国道36号線へ抜けます。
西岡を横断する形なので、いきなり上りが続く区間
普段上りはそんなに苦ではないのですが、この日はなにせ背中に10kg以上くっついてるわけで。
疲労を溜めないためにギアを使い切っても無理せず上ることにしたのですが、出鼻をくじかれるというか、先行きが不安になる低速走行。
ただ、この日のルートではこの序盤が一番きつい区間だったので、ここさえ越えれば、というのはありましたが。
それにしても、重いうえに重心が高くなった状態で上るの、すっげぇきつい…。
(一応、急な上りを避けて真駒内本町~南平岸道道453号線~国道36号線という迂回ルートもありましたが、なんとなくこちらを選択)
とかなんとか頭の中で文句を垂れながらも、水源地通との交差点に到達。
ここまで来てしまえばしばらくは平坦あるいは下りです。
羊ケ丘展望台入口~札幌ドーム横の下り直線に入ると、一転して一気に楽に。
10時半ちょうどに国道36号線に入りました。ここまで30分で来れたのはまあまあいいペースです。

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ファイターズが移転するとどうなるのか

ここからの国道36号線は札幌~太平洋側の大動脈なので交通量が多く(しかもトラックが多い)なかなかデンジャラスですが、そもそも道が広いのと、一部ちょっと危なそうな箇所は歩道自転車通行可になっているので、そのへんをうまく選んで走行。
序盤のローペースを取り戻したかったのでちょっと頑張ります。
この辺りは清田あたりまで下ったあとは緩やかな上りが続く区間ですが、澄川~西岡に比べたら大したことはありません。 今年は雪解けがやたら早かったせいか路肩の滑り止め砂の掃除も終わっていて、安定して走れる状態でした。 そして11時過ぎに札幌市を離脱、北広島市にイーン!(上杉ポンプ商会)
そもそも自転車で札幌市街を走ったことがない私にとっては、ここから先は未知のエリアです。

北広島~千歳

北広島市に入って間もなく、札幌市から続く市街地が終了。
道路は変わらず広く整備されているので、ややアップダウンはありますが飛ばせる区間です。
大曲~輪厚の立体交差があるあたりの下りではこの旅最高の62.3km/hを記録してます。
(ちなみに自転車には法定速度が無いので、制限速度が定められてない道では自動車の法定速度の60km/hを超えても捕まらない。変な話ですよね)
実際このゾーンは大変快調に走り続けられたので、途中で休憩や撮影のための停止はしませんでした(止まったのは信号待ちだけ)。
11時20分頃に恵庭市に入ってからも、下り中心の道をほぼ変わらないペースで走行。
走りやすさ優先で、恵庭市街中心部は通らずサッポロビール工場の横に出る国道36号をそのまま進むルートを選択。
一方で千歳市に入ってからは、その先のルートを考えて千歳駅前を通るために道道258号に抜けます。
このあたりでちょうどお昼になったのと、ドリンクが尽きそうだったので長都のセブンイレブンに寄って補給。
(千歳市街を過ぎてしまうと苫小牧沼ノ端あたりまで空白地帯になるので、このへんで補給しないと痛い目に遭う) あまり重いのはどうかと思ったのと、手軽に済ませたかったので、パンと羊羹という軽い食事に。羊羹は優秀なカロリー源です。

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近くにはカルビーの北海道工場が

なんだかんだで30分くらい休憩して再スタート。
千歳市街はまあまあ車が多かったので、無理せず抑えめに走行。
消防車のサイレンが結構聞こえてきて、どっかで火事か~とか思いながら走ってたのですが、ああいうことだったとはね…。

千歳~苫小牧入り

千歳市街を抜けると、再び建物はまばらになり高速走行区間へ。
トラックに加えて空港に向かう車も多いので、注意して進みます。
で、市街地を離れて間もなく、進行方向がなんか霞んでるな? と気づきます。
嫌だねぇ風が強くて砂でも舞ってるのかな、空港の周りは吹き晒しだもんな…とかなんとか考えてたんですが、
さらに近づくとなんだか焦げ臭い。
そして路肩に停まっている消防車。

燃 え と る !

どうやら南千歳駅の手前で野火が発生したらしく、線路脇の枯れ草がファイアしていました。
(あとで調べたらこの火事で千歳線が運転を見合わせて、JRは大混乱だったとか)
なるほどそりゃ煙も出るわけだ…なんて呑気にしてる余裕もなく、ひたすらに煙たいわけですよ。
車ならいいがこちとら自転車で生身なんだ。ダイレクトアタックだよ。
おまけに私は呼吸器がアレなのでこういうのに弱い。勘弁してくれたまえ。
これはまずいと判断して全開でその場から離れましたが、結果的にその後数日間は調子が悪くなるのでした。

とまあ、ハプニングがありながらも新千歳空港を横目に走り続け、いよいよ本日最長10km以上のなんもないゾーンへ(言い方)。
もうひたすら平らで自然に囲まれた道をトラックの排気ガスを浴びながら走るだけ。
このへんは荷物重いな~とかさっきの煙でなんか息苦しいな~とか、どうでもいいことを考えながらペダルを回してました。
そんな感じで苫小牧市に入り10kmほど進むと、左手に観光名所のウトナイ湖が見えてきます。
せっかくなので休憩がてら寄ってもよかったんですが、今回はちゃんと制限時間内に目的地に着けるのか、というのを見極められていなかったので(ロングライド初心者)、スルーすることに。
結論からいうと時間は有り余ったので、寄ればよかったとちょっと後悔してます。

ウトナイ湖を過ぎると、間もなく苫小牧の市街地に入ります。
これが13時20分頃。もう少し早く残りの距離と時間の計算をしていればウトナイ湖に寄れたのに…。
苫小牧に来るのは2年半ぶりくらいだったので、若干位置関係を忘れていましたが、
まあ適当に進めば中心部に出るでしょ、と慢心して進みます。
で、とりあえずこの辺かな? ってとこで海のほうに曲がり、線路を越えて海近くの通りに出ましたが、
肝心の西港フェリーターミナルとやらはどこよ、という。
さすがに分からなかったので調べてみると、

行き過ぎてたー!
幸い大した距離ではありませんでしたが、東へ戻る形に…。

フェリーターミナルに到着

少し走ると、フェリーターミナルの案内看板が見えました。
なるほど港まではそこそこ距離があるわけだ(1kmくらいある)。
このときだいたい14時ちょうどくらい。時間に間に合うのは間違いないのですが、早く着く分には問題ないかな? と考えてとりあえずターミナルまで行ってみることに。
明らかに自転車が走るのは想定されてないような道路を進むと、建物とその奥にはでかい船が見えてきます。フェリーだ!
つまりこれで無事1日目は完走というわけです。やったー!

…ただ、到着したのはいいのですが、この後一体どこにいけばいいのかがわかりません。
裏に行っても大洗行きはこちら、みたいな案内は出てないし、そもそもどこに自転車を置けばいいのやら。
とりあえずスマホで調べてみると、乗船手続きは16時かららしく、つまりまだ1時間半ほどあるわけで…。
ひとまず今来た道を戻って、近くのセイコーマートの駐車場に一旦自転車を止めましたが、風が強い上に寒い! さすが港町苫小牧!
あと1時間以上もこのままボケーっとなんてしていられないとなって思いつき、ちょっと苫小牧市街をぷらっと走ってみようか、と。
というわけで予定になかった苫小牧市ポタリングを急遽開始。

苫小牧市ポタリング

まあポタリングなので特に目的もないのですが、とりあえず苫小牧駅を目指すことに。
よく考えたら、車で苫小牧に来たことや列車で苫小牧を通過したことはあっても、苫小牧駅を外からちゃんと見たことはなかった。 苫小牧も最近は苫東地区の開発が進んで人口が増えてるらしいし、駅前もそこそこ賑やかなのかな?
という予想は案の定外れ、日本中どこにでもある寂れた駅前という感じでしたが…。
(平日の昼過ぎというのもありましたが)
やっぱりみんな駅前よりイオンとかそっちのほう行っちゃうんですかね。

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苫小牧駅
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ライブハウスELLCUBE(一回だけ来たことある)
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いい感じに年季の入った団地

フェリーターミナルへ戻る

そうしているうちにいい感じに時間も潰せたので、さっきの場所に戻ります。
フェリー内では食べものを買うと高い&ターミナルの売店もお土産が中心、という事前情報を得ていたので、さっきのセイコーマートにもう一度寄って買い出し。
この日の夕飯にホットシェフの豚丼と、翌日の朝食べるパン、あとは水と翌日分のスポーツドリンクを購入しておきます。

荷物が増えたので若干不安定さが増しましたが、再度フェリー乗り場へ向かいます。
正面入り口の横に行ってみると自転車置き場があり、他に置けそうな場所もないので一旦そこに止めることに。
これでようやっと1日目の(本当の)フィニッシュです。

自己最長かつ、これまでのMAXの2倍以上の距離をろくに慣らしもせずに走ったんですが、存外いけるものだなぁという感じですね。
体も自転車もノートラブルで来れたので、これは普通に問題なく明日も完走できてしまうのでは? となんだかポジティブになってきたり。
そんな順調な初日でしたが、なんせ船旅は初めてです。
一体何が待ち構えているのか、果たして大洗まで無事でいられるのか?

次回、フェリー編、お楽しみに!

この日の走行ルート

車だと1時間半で着くルート