人生セルフ人体実験

何をするにしても自分で試すのが一番

札幌~東京を自転車で(だいぶワープしながら)自走してみた(その2、フェリー前編)

札幌~東京のインチキ自走シリーズの第2回。
今回はフェリーで苫小牧から大洗まで移動するお話なので、自転車はあんまり出てきませんがよろしくどうぞ。

(その1)札幌~苫小牧
(その2)苫小牧~大洗(1) ←いまここ
(その3)苫小牧~大洗(2)
(その4)大洗~東京

フェリー乗船手続き

苫小牧西港フェリーターミナルに到着し、玄関横の自転車置き場にとりあえず自転車を置いて建物に入ります。
2階建てで、1階がチケットカウンターと車両待機場への出入り口、2階が待合室と徒歩乗船者用のブリッジと売店などの配置。

f:id:harui_harui:20190708000407j:plain
苫小牧西港フェリーターミナルのエントランス
まずは乗船手続きをするために1階の端末でチェックインを済ませます。
今回乗るのは商船三井フェリーの大洗行き夕方便「さんふらわあ さっぽろ」。
2017年に就航したばかりの新しい船です。
事前に予約をしておいたので、必要な情報を入力するだけで機械が乗船券を発行してくれました。
で、次は自転車の扱い。
自動車とオートバイは海側に車両用の待機場があるので、そこに停めて時間まで待つという形のようですが、果たして自転車はどうすればよいのやら。
受付で聞いてみたら、オートバイ用のスペースに置いておくように指示されたので、いったん正面玄関から外に出て、海側まで乗っていきます。
(この車両待機場への道路が基本車しか通らないので、自転車で走るのは結構怖かった)
指定の場所に向かうと、係員が誘導に従ってオートバイ待機エリア(の横のたぶんなんでもないスペース)に到着。
どうやら今日の便には他に二輪車はおらず、私だけのようです(まあ北海道バイクツーリングの時期にはだいぶ早いですし)。
ただ、自転車を立てかけられるような場所は無く、「船の近くの柵まで持ってってそこに立てとくかい?」とも言ってくれたのですが、私も初めてでなんか問題が起きたら嫌ですし、地面に寝かせておくことに。
f:id:harui_harui:20190715235748j:plain
スヤァ…
これで乗船前の手続きは完了。ターミナルビルに戻り、2階の待合室で乗船開始の案内を待ちます。

乗船!

待合室で一人場違いな格好をして時間を潰していたら、17時ちょっと前になって車両の乗船開始アナウンスが流れました。
そそくさと待機場に向かうと、「あっちまで行ってね~」と別の係員のいるあたりを示されたので、まずはそこまで移動。
そこで待っている間、正面にはこの後乗る船が後部ハッチを開けて待機しており、トラックがどんどん入っていくのを眺めていました。

f:id:harui_harui:20190716001102j:plain
あれが今日乗る船
トラック積み終わったらあそこから入るのかな? と思っていたら、今度は「屋根にランプついてる車について行ってください」と言われ、再度移動。
フェリーの船体を横に、船首側に向かいます。 ちなみにこの時、私の後ろには四輪の自動車が列を作っており、つまり私は先頭にいたわけです。
おいおいおいポールポジションかよ、と。
車の運転手たちは(えっ自転車…?)とさぞ困惑していたことでしょう。
誘導車もそこそこのスピードで走るため、ついていくのにそこそこ頑張って漕いだり。
そして船首右舷のハッチ横でまたしばらく待機します。
こちらからは船内でトレーラーを切り離した後のトレーラーヘッドが次々に出てきており、なるほどこれが終わると一般車の乗り込みが始まるのか、と納得。
f:id:harui_harui:20190716001458j:plain
ここから乗ります
2~30分経ったでしょうか。
いよいよ一般車の乗船開始です。
埠頭からのアプローチにタイヤを取られないかやや不安でしたが(大丈夫だった)、いざ初めてのフェリーへ―

車両甲板に入ると、すぐ左手の壁際のほうに呼ばれました。
(なお車両甲板内は撮影禁止だったので、文字だけでお送りします) 見ると「自転車置き場」とちゃんと書いてあって、ああやっぱりそれなりに自転車で乗る人いるんだな…と。
といっても船の内壁についてる配管にベルトで固定するだけなんですけども(固定は係員がやってくれました)。
そんでもって停めてあるトラックの横を歩いて客室に繋がる階段室へ。
こんな場所を歩くって機会もなかなかないですね。
階段はやや狭く急で、客船といってもやはり船だな、という感じ。
ハッチから入る車両甲板は3階(全部で7階)なので、2フロア上がるとロビーのある5階です。

旅客エリアへ~出港まで

旅客エリアに入ると、なんかもう普通の小さめのホテルのロビーって感じです。
売店はもちろん、給湯室、コインランドリー、大浴場、キッズスペース、マッサージコーナー、レストランと充実の設備。
そのへんの紹介は公式ページにあるので割愛するとして、早速本日の寝床に。
フェリーの安旅といえば大部屋での雑魚寝が思い浮かびますが、さすがに精神衛生上よろしくないのでパス(新造船だけど一応大部屋はある)。
とはいえ個室を使えるほどの余裕もないので、今回は少しだけお金を出してコンフォートを取りました。
カプセルホテルみたいなキャビンがカーテンで仕切られてる、言わば寝台列車の開放B寝台のもう少し区切りが細かいバージョン。

f:id:harui_harui:20190717233954j:plain
コンフォート客室の通路
f:id:harui_harui:20190717234445j:plain
こんなふうに1ブロックに4人分(写真失敗してる)
f:id:harui_harui:20190717234543j:plain
狭いけどプライバシーは守られるのでそれなりに快適
段の上下は選べなかったのですが、上段が割り当てられていました。
開口部が通路から離れているので、人が通る音がそこまで気にならなさそうでいいかも。
なお、同じブロックの他の3名分は空席だったようで、寝床を出たらお向かいさんがこんにちは…という気まずい状況になることがなくラッキー。
ただし、船体のかなり内側の区画なので、接岸中でも携帯の電波が届きません。これはちょっと不便。

とりあえず着替えて、明日も着る予定の自転車用装備を洗濯しにコインランドリーへ。
洗濯機と乾燥機が4台ずつありますが、乗客数に対しては少ないのですぐ埋まるだろうと判断したのは正解で、既に洗濯機は2台使用中。
コイン式洗濯機というものをあまり使ったことがないので少々手間取りましたがなんとなく上手くいったっぽいです。
そうするともうやることもあんまりないので、ロビーの休憩スペースへ移動。
海の上から港を見るというのも初めてなので、なかなか新鮮なアングルです。
そのままスマホを見て時間を潰していると、ゆっくり景色が動き始めました。いよいよ出港です。

f:id:harui_harui:20190720222213j:plain
さらば苫小牧

海の上へ

出港すると一気に揺れが大きくなるのかな、と思ってましたがそれほどでもなく。
船内アナウンスでも「大洗まで波は穏やかな見通し」とあったので、初船旅はイージーモードのようです(助かった)。
時間も良い感じになってきたので、まずは夕食をとることに。
とはいっても船内のレストランは高いので、貧乏旅行者は乗船前に最寄のセイコーマートで買ってきたホットシェフの豚丼を食べることにします。
給湯室に電子レンジがあってよかった。

f:id:harui_harui:20190720225416j:plain
本日のディナー
食事を済ませた頃には日も暮れて、やることがなくなってしまったために再びロビーでスマホをぽちぽち。
存外携帯の電波が届くものなんですね。さすがにアンテナは2本とかですけど。
そうしたら、ロビーにいる他の人たちがおいしそうにビールを飲んでいるのが目に入ってしまったんですよ。
さっき売店を覗いたとき、缶ビールが意外とリーズナブル(コンビニに毛が生えた程度の値段)だったんですよ。
……。

気が付くとサッポロクラシック春の薫りを持ってレジに立っていた。
仕方ないね。

ビールを飲み終わる頃には携帯の電波も入ったり途切れたりになり、そろそろ寝床に戻ろうかと思ったところで、ちょっと後部の展望デッキに行ってみることにしました。
外に出てみると、風は大したことないんですが、周囲がまあ真っ暗(当たり前ですが)。
その上、デッキの手すりが想像以上に低く、これはうっかりすると簡単に海に飛び込めるぜ…という感じで、ちょっと怖くなった私は早々に室内へと引き上げたのでした。

寝床に戻ると、いよいよ行動は限られたので、寝台内にあるテレビ(すごい!)をつけてみます。
すると船のだいたいの現在地を表示してくれるチャンネルがあり、なるほど今はまだ北海道からそう離れてないじゃないか…先は長いな、と考えるなど。
NHKではプロ野球(ファイターズではなかった)の中継をやっていたので、試合が終わるまでつけっぱなしに。
22時頃にはもう寝ちゃおうと電気を消して布団をかぶると、すんなり眠れてしまいました。

長くなったので今回はここまで。
次回はフェリー後編です。